2024/09/06
当社ホームページの企業ブログ担当のO(おー)です。
9月も中旬にさしかかりましたが、まだ暑さが続く予報ですので、ご自愛くださいますようお願い申し上げます。
ご存じかと思いますが、2024年10月1日施行の商業登記規則等の一部を改正する省令により、これまで登記事項証明書などの会社登記簿謄本で公開されていた代表取締役住所を非公開にできる制度「代表取締役等住所非表示措置」が開始されます。
この制度は、「一定の要件の下、株式会社の代表取締役、代表執行役又は代表清算人の住所の一部を登記事項証明書や登記事項要約書、登記情報提供サービスに表示しないこととする措置*」ですが、あくまでも申出ベースで代表住所を非開示にできる点はご留意下さい。
また、当制度の主な注意点は下記となります。
〇 株式会社の代表のみが申出可能です(合同会社・有限会社などは対象外です)。
〇 代表住所は完全非表示ではなく、都道府県市区町村までは表示されます。
〇 申出は、「代表取締役等の住所が登記されることとなる登記申請と同時」に限定されています。したがって、住所を非表示にしたいだけでの申出はできませんが、代表重任登記や他登記所管轄内の新本店移転登記時は申出可能です。
〇 代表自宅住所が他の行政区画へ移転(例:東京都千代田区から東京都港区)した際、非表示措置申出をしなかった場合には、非表示措置となりません。
〇 住所非表示となった場合でも、履歴事項全部証明書には2024年9月30日以前の住所は記載されます。
上記注意点や当制度利用により想定されるリスクを含めた詳細は、法務省ホームページをご参照下さい。
企業データベース関連への影響ですが、当社のように代表自宅住所をご提供していない場合、問題は発生しないと考えます。なお、商業登記に基づく同姓同名者の識別が難しくなるため、代表者による与信判断には少なからず影響が出てくるでしょう。
法人代表者、特に著名人や富裕層にとってはリスク回避の観点から良い制度と思われ、当制度導入がきっかけで新設法人や変更登記の増加、はたまた自宅移転(引越)が増えるかも知れません。
ご覧いただきありがとうございました。
*法務省ホームページ:「代表取締役等住所非表示措置について」より